「間違いを認めない人」を黙らせる方法
コールセンターで責任者をしている人で、オペレーターの指導に苦労していたりしませんか?
お客様から「オペレーターの対応が悪い」とクレームが入っても、そのオペレーターに話を聞きくと「相手が少し変な人で。。。」とか、「最初から怒っていたんです!」といった言い訳が返ってきます。
「自分は悪いわけではなく、たまたまそういうケースにあたっただけ」と言いたいのでしょう。
そんな人に「話し方を改善してください」と言っても、相手は納得しません。1件ずつの事例で改善を促しても、「あれは例外です」で済まされてしまいます。
もそもオペレーターの仕事は、お客さまによってニーズが異なるので、良し悪しを評価するのが難しいという問題もあります。
基本的な対応や話し方はマニュアル化され、一定の品質は保てるようにしてありますが、オペレーターがその通りに話せばすべての人が満足するわけではありません。
たとえば、「機器に故障があった」と電話をかけてきたお客さまに、「一度、この操作をお試しください。これを確認してください」というマニュアル通りの対応をすると、相手が怒り出すことも少なくありませんでした。
そういう人は、インターネットや本で対処法を調べ、いろいろ試したうえで、「交換しかない・・・」と思って電話をかけて来たりしています。そこでまた同じことをやれと指示されたら、腹が立つのも無理はないでしょう。
その一方で、マニュアル通りに対応すれば満足というお客さまもいます。よって、一律の評価基準をつくるのが難しいのです。
しかしこれでは、いつまで経ってもコールセンターの顧客満足度は上がりません。
そこで、「だったらお客さまの一人ひとりに、オペレーターの仕事の品質が良かったかどうか聞けばいい」と思いつきました。
そして、コールセンターに連絡してきた人たち全員に、メールでアンケート調査を実施する仕組みを作りました。
「お問い合わせありがとうございました。オペレーターの対応はいかがでしたか。満足度を星5つで評価してください」
こんなメールを送って、オペレーターの接客品質を星1つから5つの数字で測定することにしたのです。
そして、オペレーターごとの平均点を1日ごとに算出し、「あなたの昨日の評価は3.8点でした」などと毎日画面に表示しました。
客観的な数値で示されたことで、オペレーターたちは自分の点数を上げるにはどうすればいいか、各自で考え始めました。
先ほども言った通り、お客さまによって求めるニーズは異なりますから、実際に対応するオペレーター本人が工夫するしかありません。
これにより、コールセンター全体の顧客満足度も高まりました。
お客さまから返ってくるアンケートは、毎月数百件に上りました。これだけの母数を根拠とする数値を示せば、「クレームが来たのはたまたまです」という言い訳はできません。
人が自分の行動を改善しようと思えるのは、「今のままでは、何がどうダメなのか」を納得できたときです。
そして、自分を客観的に評価するのに、数字ほど適したものはありません。
現状を数字で把握し、目標値との差を認識しないと、人は改善に向かって動き出せないのです。
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