人生の目的とは?カスタマーサポートからみる幸福論を考えてみる
今、あなたは幸せですか?
幸せとは何ですか?
そう言われると、ちょっと答えに戸惑う。
あなたはどう答えますか?
幸せの定義は人によって違っていてよい。
人によって状況も思考も全く異なるからだ。
改めて、あなたはどう答えますか?
大金持ちになる。
出世する。
大きな家を持つ。
家庭を持つ。
いろいろな答えがあるだろう。
しかし、その答えは目的ですか?それとも目標ですか?と聞かれたらどう答えるだろうか?
幸せになる、は目的である。そのため、何をしていることがそうなのか、どんな状態がそうなのか、を振り返ってみると、幸せだと思っていたことが単なる目標でしかなく、目的とほぼ遠いことがあり得るのだ。
例えば、幸せとは家族と仲良く暮らすこと、と定義したとしよう。仲良く暮らすためには、お金もある程度必要かもしれない、家も広い方がいいかもしれない。
しかしながら、いずれも家族と仲良く暮らすこと、という幸せの絶対条件ではないと私は考える。
貧しくとも仲良く時間を過ごすことを考えたり、仕事に時間を割かず子供と一緒に遊ぶことを優先することで幸福度があがるかもしれない。
このようにお金や家のような条件は目標とはなり得るが、目的にはなり得ないと思うのだ。
改めて幸せとは何なのだろうか?
幸せとはとても概念的なもので、自分が社会や他者との中でどういう存在でいたいのか?
ということなのでは?と推測する。
先程の、家族と仲良く暮らす、という概念も、細かく定義すると、社会的な地位や名誉は求めないが、家族という単位を尊重し優先的に時間を過ごし、その中でお互いの理解を深めていくことが幸せ、という事が言えるのではないだろうか?
出世という概念も、社内での意思決定権と影響力をもち、自らの理想の組織、サービスを作り上げ社会に対して価値を作り上げる、という事が言えるかもしれない。
このように、幸せとは、他人と社会という概念を切り離して考えることはできないと推測している。
カスタマーサポートにおける顧客対応や、仕事での取引先とのやりとりにおいて、相手のいっていることが目標のことばかり言及しているなら気を付けた方がいい。
粉飾決済などその最たる例であろう。
クレームなどでもよくあることだが、「自分が正しい、自分は間違っていない」という人は、社会との対話ができておらず、不幸になると感じる。
自分の主張を通すことが目的になっており、(その行為は目標にすぎない)あなたが幸せになる行為なのですか?ということを突きつけたくなる。
あなたのいきる目的は何ですか??
短い人生、幸せになる目的を明確にし、それに向かっての行動に時間を費やした方がいい。
無理難題を吹っ掛けてくるクレーマーに対し、あなたの要求を飲むことで、あなたは幸せになりますか?あなたと社会の関係はどうなりますか?と問いかけてみよう。
自分行為が不毛である、と気づくいいきっかけになれば、カスタマーサポートとしては目的を果たしたことになる。
カスタマーサポートは顧客対応を通して、顧客に幸せになってもらうための組織だからである。
意外と知らない相槌スキルとは?カスタマーサポートには必須!
カスタマーサポートでの電話対応は、当たり前のように声の情報が全てだ。
その対応の中で、頻度が最も多いが意外と磨くことを忘れられているのが相槌というもの。
一度の会話で、まず相槌を使わないことはないだろう。しかし、その相槌スキルについて、君は大丈夫だろうか??
同じ「はい」という相槌ひとつでも、明るく元気に「はい!」というとの、深くダンディーに「はい」というのはまるで印象が違う。
また、お客様の話しを長く聞いている場合、「はい」という相槌が連続で使うシーンも出てくると思うが、その時に同じトーンで「はい」を繰り返すのと、毎回バリエーションを変えて「はい」を言うのでは、相手が話を聞いているかどうかの印象が大きく違ってくる。
相手に「しっかり聞いてますよ!」アピールをするために、相槌もたくさんのバリエーションを持っておきたい。
はい、ええ、そうなんですね、そうですか、かしこました、承知しました、承りました、ありがとうございます、感謝いたします、など状況に応じていろいろ使い分けることができる。
大事なのは、機械的に同じリズムを繰り返さないこと。相手が「こいつ…作業的だな…」と思ったら終わりだ。
カスタマーサポートではよく、この相槌のバリエーションだけでワークショップを行ったりする。
あなたの思い付く相槌はなんですか?と、順番に答えていってもらうのだ。自分の持っているボキャブラリー以外のバリエーションを増やすのにとても有効なのでぜひ行っていってもらいたい。
カスタマーサポートの対応だけでなく、対人関係の向上にも役に立つはずだ。
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カスタマーサポートの醍醐味は仕事を増やすことだ!
カスタマーサポートの仕事で最も大事なことはなんだろうか?
問い合わせを減らすこと!
と答えたあなたは、カスタマーサポートマネージャーではなく、オペレーション削減おじさんである。
問い合わせ対応をすること!
と答えたあなたは、対応さばきまくりおじさんである。
私の答は、
新しく価値ある顧客との接点を作ること!
である。
カスタマーサポートが接した顧客に、その対応で化学反応が起こせたかどうか?に、私は拘っている。
化学反応が起きない対応を減らし、化学反応が起きる対応を作り出すことが我々の使命だ。
それが目的だとして、目的に至るための手段として不要な問い合わせ削減などは必要だろう。
ただし、意図的にお客様に問い合わせしてもらう、という行為も必要だ。
あえて接点をもうけ、サービスについての不明点を確認したり、サービスの利用を促したりすることが顧客の成長につながる。
一回限りの問い合わせに関しての顧客満足度をあげるのではなく、本質的にサービスを利用していることを顧客満足と定義し、顧客との接点をもったことで、サービス利用が加速する事をカスタマーサポートは狙うべきである。
よって、サービス利用促進がうまくいかないときは、どこかで顧客の心が離れていっており、離れる時期や離れるタイミングを見計らって顧客をフォローしなければならないのだ。
顧客の長期的なサービスリテラシーを高めるためにカスタマーサポートは存在するのである。
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最高のクレーム対応とは?クレーム対応の意義とは何か!?
カスタマーサポートにおける、クレーム対応の最高の着地はクレーム者と仲良くなることである。
これ以上の結末はない。
ある意味、スポーツの試合でお互いの検討を称え会う事と似ている。
お客様は、カスタマーサポートの対応の結果を評価しているのではなく、カスタマーサポートの対応のスキルを評価しているのだ。
例えば、お客様がサービスの対応に納得がいかなかったりする。その結果返金を要求してきたとしよう。しかし、カスタマーサポートとしてはそれを請け負うことはできない。
利益を圧迫するし、他のお客様に同様な対応はできない。もしくは、お客様の要求はそもそもサービスのスペックとして折り込み済みで、返金に値しないかもしれない。
このような理由を、それとなく会社の勝手な都合のように見せずにお客様に説明をするスキルが求められる。
しかも、お客様の感情に寄り添いながら。
これができるカスタマーサポート対応者は称賛に値する。
どうしたらこのようなエクセレントな対応ができるのであろうか?
ポイントは
- お客様の感情は100%理解する
- サービスレベルは譲らない(理解を求める)
- 上記、二つを散々やりあったの後、最終的に特別対応をする
最初は、どんな理不尽なクレームであっても、お客様の話し、特に感情には共感を示そう。論理が破綻していても、お客様は「自分のこの気持ちをわかって!」と言いたいのだ。
どんなに理論武装していても、感情に寄り添わない対応は失格である。
一方、サービス側での妥協点は明確に線引きしておこう。最初からお客様には、ここから先は引きません。という姿勢を示しておこう。あとは、できない理由を並べるだけだ。※ここで重要なのは、理由はあくまでも、お客様目線(このクレーム者だけでなくお客様全体という視点)で述べるようにしよう。
お客様にも事情はあるが、会社にもサービスの維持、拡大、また戦略的な決めという取捨選択があるからだ。
そうするとお客様も、会社の引くことができないラインがわかってくる。これ以上、交渉しても時間の無駄だと感じるだろう。その雰囲気を感じたら、伝家の宝刀で、”特別対応”を行おう。
お客様の主張を認めたわけではない、あくまで感情に寄り添いかつ、時間を浪費したことのねぎらいでしかない。ここまで時間を使ってくれたことへの特別配慮だ。だからすべてのお客様に行わない理由になりうる。
この展開を意図的に行うことで、お客様も企業の事情を理解することができ、不満を他の人に拡散することがなくなる。
そう、顧客対応とはお客様と企業との意識のギャップを埋めるために必要なことであり、そこには時間を割く必要がある。クレーム対応とは、将来のロイヤルユーザーを育成するため必要なプロセスであり、ユーザーを獲得する営業と同じような価値を持っているのだ。
CSの管理者達へ。君は何を目指すのか?
カスタマーサポートの管理者達へ
君たちはいったいどこに向かっているのか?
優秀な管理者になりたいのか?
経営者になりたいのか?
プロダクトデザインをしていきたいのか?
カスタマーサポートの管理者に聞く。
君たちは何をみているのか?
多くのカスタマーサポートの管理者達は目が死んでいる。
仕事のやれること/やれないことの線引きをされ、その中で期待されたオペレーションを回し、安定するように人をアサインしていく。
彼ら彼女達はルーチンワークをこなし、疲れたら辞めていく。そこに楽しさはあるのか?
生活のための仕事と割りきっているのか?
カスタマーサポートの管理者に聞く。
君たちは何を目指しているのか?
人を動かすのは、自分が行っている内容のミッションであり、ビジョンである。
カスタマーサポートの管理者よ。
あなたはビジョンをメンバーに与えているのか?
コールセンターベンダーであれば、カスタマーサポートの管理者よ、まず自らを縛る契約書を破棄せよ!
クライアントと同じミッション、ビジョンを目指す仲間として、業務を遂行せよ!
それが共有化されないクライアントであれば、関係を打ち切るべきである。自らの付加価値を自ら作り上げずして、メンバーを率いるビジョンは語れず、メンバーは倒れていくだろう。最後には君も倒れるのだろう。
自社でカスタマーサポートを営んでいるのであれば、自らの役割を広げよう!ただの問い合わせ対応の部署から卒業しよう。
カスタマーサポートの管理者よ。
君が行う仕事の先には、ユーザーの笑顔とスタッフの笑顔はあるのか?
常に自問自答を繰り返し、答えを示すものこそが本物のカスタマーサポートの管理者である、と私は言いたい。
Customer Success: How Innovative Companies Are Reducing Churn and Growing Recurring Revenue
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グッドマンの法則に見る 苦情をCSに変える「戦略的カスタマーサービス」
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カスタマーサポートは冷静と情熱が必要!
カスタマーサポートに求められる要件は、質問された内容に冷静に論理的に答える能力。
ロジカルに加え、客観的に物事をとらえる力が必要だ。
それに反して、お客様の感情に共感する力も必要。発する言葉一つ一つに親しみや共感を表現することができるか。ありがとう、すみみせん、という感情を深く伝えることができるのか、などの要素が必要になる。
とてつもない能力ではないか?!
経営とか、事業計画とかは、売上という指標で全てが判断される。ある意味わかりやすい。
しかし、対人対応は相手の感情、知識、理解など、もろもろの情報を察して最適な表現を、リアルタイムに行わなくてはいけない。
カスタマーサポートは人として、高度な情報処理をしているのだと声を大にして私はいいたい!
ただ、経営などに与える影響が、一人のユーザーに対してのインパクトしかないために、軽視されてしまうだけである。
ゆえに、結論として、
カスタマーサポートに価値をおくならば、商品の単価は高くなければならない。
対応の価値を最大化させるためである。
もしくは、商品が安い場合は、対応するポイントを厳選して行わなければならない。
どこで自らの最大の価値を発揮させるのか、見極めて使うようにしましょう。
カスタマーサポートに光あれ!
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カスタマーサポートってイケてるの?
カスタマーサポートの地位向上を!!とか叫んでる人が世の中に存在する。
また、カスタマーサポートより、今はカスタマーサクセスだよね、と言う人も存在する。
このような発言や論議について、私は違和感を覚えずにはいられない。
まず、カスタマーサポートの地位向上!という話しについて、その仕事にそれだけの価値があるのか??という疑問を投げ掛けるとする。
価値があれば、伝えかたが悪いだけ。正しく世の中に理解を求めていく、価値を認知していく、という活動をすればおのずと地位は向上するのだろう。
しかしながら、価値が低いのであれは、仕事の内容を見直さなくてはいけない。
カスタマーサクセスがカスタマーサポートと比較され、持て囃されるのは、カスタマーサポートと似た仕事なれど、そこにあたらしい価値、概念を作り上げたからこそ、注目がされたといえるだろう。
そのため、カスタマーサポートを何かと比べたりする議論ではなく、我々の仕事はこれでよいのか?という本質的な部分を掘り下げるべきではなかろうか?
自分自信の仕事に価値を持たせるかどうかは、その人がどのような仕事をしているか、もしくはどのような仕事を作り出すのか次第だ。
カスタマーサポート、という特定のキーワードに固執するのではない。また、他の業務と比較するのでもない。価値のある仕事が、ただ認められるだけのことなのだ。
同じ仕事を続けていて待遇を改善しろー!!何て言うのは、残念ながらあつかましい要求と言わざるを得ないだろう。
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